減災ケアの可視化
「人間の安全保障を基盤とした、「水・食糧・生活環境・健康」のセルフケアによって、あらゆる災害リスクを減らす「減災ケア」を共創し、脆弱(Vulnerable)と呼ばれる人々や支援組織が参画することで、ユニバーサルな知識創出・社会実装を目指しています。
これまで培った①グローバルな人間科学的視点、②空間疫学に関する科学技術、③地域の既存データの蓄積、④災害時要配慮者のマンパワーやリテラシー、などの利活用し、a」研究成果、行政の保健医療統計や情報を二次利用した、情報発信・学習、b」ワークショップ、防災訓練などからのアクションプラン作成、c) チームビルディングと、地域に必要な減災ケアの企画・設計・実施をおこなっています。
Sherepo
<発災時の避難所ニーズモニタリング>
長期的・分野横断的「災害リスク削減」と「健康」指標と収集のために、災害時にもっとも有効な避難所情報共有のあり方検討するため、直感的迅速避難所情報インデックス(水・食糧・生活環境・健康被害)
を抽出し、避難所情報アプリ「SHEREPO」のプロトタイプを用いて、2014年3月以降、国内外で実証を繰り返し行なっています。
<健康危機とケアの空間情報>
2013年に発生した台風ヨランダによる被害後、JSTの緊急共同研究においてアテネオデマニラ大学の開発した参加型ハザードマップ上にSherepoを搭載し、更に、WHOが開発した災害時感染症症状迅速収集フォーム(SPEED)を追加し、国際緊急支援チームの共通指標の統合し台風多発地域で活用しています。
2015年4月ネパール大地震後には半年間、現地の看護協会とともに、地域看護師への疫学教育及びサーベイランスシステムへの報告を行い感染症予防に取り組見ました。この研究で導かれた枠組みは、国連国際防災戦略事務局(UNISDR)により国連防災Global PlatformにてEpiNurse Nepal としてRisk Award 2017を受賞し、グローバル汎化できるものを目指せると評価された(UNISDR 2017)。これは人間中心の防災に対する先進的な取組として現在もネパールとフィリピンで継続中です。
<避難行動確認ツール「メグロール」>
東京大学目黒公郎教授の提唱する目黒巻の考え方を減災ケアに取り入れました。災害条件を設定して、直後から1か月程度後まで、各自の状況や行動を予測して記入するシートです。シートを記入することで、プライマリヘルスケアの基盤となる、水・食料、生活環境、健康問題について、参加者自身が、このシートを記入することによって、防災上の弱点を認識することを目的としています。
行動、心理について時系列に分析を行い、結果として得られた各時間の行動や被害、心理の特徴を明らかにし、必要な備えやあり方を明確化し、家族と意思決定をするのに役立ちます。
<避難行動と支援確認マップ>
Caring Finder
CARING FINDERは「めぐろーる」を元に移動条件(性別、年齢、必要なケア、自宅からの距離、交通手段等)を指定し、想定している避難所までのルートを複数人で確認できます。個別計画、マイタイムラインづくり、地区防災計画にも活用でき、それを支援者や、自治体等に報告することもできます。